板状で、キーボードはなく、タッチ対応の画面が片面を覆っているタイプのPCで、容易に手に持って使えるサイズのものです。重さは300gから500g、画面サイズは8型くらいです。分類や呼称として十分に一般的ではないかも知れませんが、1kg程度の置いて使うことが中心のタブレットPCとは、明らかに位置づけが異なるため、「小型タブレットPC」という分類を用意しました。PCユーザ一般に知られている有名な機種として挙げられるものはありません。画面も小さくキーボードもなく性能も限られているため用途が限られており、iPadやAndroidタブレットと競合しています。
長所としては、
- 安価である。
- Windowsが動作する。
- 非常に軽量である。
- 閲覧には使いやすい。
などが挙げられます。キーボードもない単純な一枚の板のような構造なので、安価で軽量です。十分な性能ではないとはいえ、Windowsとそのアプリが動作するので、使い道が非常に広くなります。非常に軽量なので、当然、手に持ってタブレットとして使うのに適しています。
短所としては、
- 最低限の性能に限られてしまう。
- Windowsではあまり使いやすくない。
- タッチ操作がマウスの代わりにならない。
- 文字入力が非常にやりにくい。
- Macシリーズはない。
- 立てるためのカバーなどが必要な場合がある。
このサイズに搭載できるCPUの限界で、最低限の処理能力しかなく、高画質画像の再生、オフィスソフトでの巨大な表データの処理や本格的なゲームなど、処理能力を要する処理には使えません。
本当に最低限の機種もあり、試しに少し使ってみるくらいでは、何とか使えるように見えても、本気で使っているときに、あまりの遅さに使用をあきらめるというようなことがあり得ます。Windows Updateと呼ばれるWindowsを更新する処理をため過ぎてしまうと、完全に丸一日、何にも使えないということもあります。また、ストレージも小さいものが多く、Windows Updateによって肥大化したWindows本体だけで、ストレージを圧迫することもあります。
Windowsにおいて、タッチ操作の歴史が浅いこともあり、タッチでの使い勝手はあまり良くはありません。指自体が画面を遮って細かな操作ができなかったり、マウスカーソルをそこに持って行くだけのマウスオーバーという操作がタッチ操作ではできなかったり、本格的に使っていくとタッチ操作がマウスの代わりにならない場面が出てきます。
大量の文字の入力には、キーボードを追加する必要があります。一見、スクリーンキーボードでこと足りるように見えますが、手探りでキーの位置がわからないこと、入力していないときは手を浮かせる必要があること、スクリーンキーボードが画面の半分近くを占有して画面が見にくいことなどにより、大量の文字入力には使えません。タブレットPCは、机にそのまま置くと見えにくい場合が多く、見やすい角度で立てる必要があります。その場合、立てる機能のあるカバーや台などが必要になりますが、小型タブレットPCと比較すると決して軽くも小さくもなく、小型軽量が想像以上に犠牲になることがあります。Windowsでは多くのソフトウェアが動作するため何でもできるように見えますが、小型タブレットPCでは、思うように使えないことも多いでしょう。
アップルの製品ラインナップにおいては、このカテゴリはiPadが担当しており、Macシリーズにこのサイズはありません。
一時は注目を集めましたが、人気の高いカテゴリではないためか、様々な欠点の改善の進展も良好とは言えません。もし、このカテゴリの製品を購入する場合は、用途に合っているか、iPadやAndroidタブレットで良くないか、よく熟慮してから購入するのが良いでしょう。