中型モバイルノートPC - パソコンの種類

1.4kg以下900g以上の持ち運びやすいノートPCです。一般的なカテゴリではありませんが、超軽量ノートPCと確実に区別するために、用意したカテゴリです。画面サイズは、10型から13型くらいで、性能は最低限から高性能まで多彩です。かつては日本製の独壇場でしたが、アメリカ企業や韓国企業、中国企業も参入してきており、現在、最も競争の激しいカテゴリです。有名な機種としては、アップルの13インチMacBook Pro(2016)、パナソニックのLet’s note MX、VAIO社のVAIO Zなどが挙げられます。

長所としては、

  • 持ち運びやすい。
  • 性能、機能がそこそこ充実している。
  • デザインにこだわった製品が多い。

などが挙げられます。超軽量ノートPCには及びませんが、持ち運びやすくなっています。ただし、毎日のように持ち運ぶなら、できれば1.2kg以下が良いでしょう。最近では、性能、機能も非常に向上しており、高性能な機種を選べばビデオ編集や3Dゲームにも使用することができます。

また、最近の激戦カテゴリで、比較的高価な製品が多いこともあり、デザインが優れた製品も珍しくありません。デザインで定評のあるMacBookやVAIO Z、圧倒的なカラーバリエーションのLet’s note RZ/ SZ/ LXなどがあります。

短所としては、

  • 高価なものが多い。
  • 画面が小さい。
  • 非常に本格的な用途では足りない場合がある。
  • インタフェースにアダプタが必要な機種が多い。

安価な製品も増えてきましたが、日本製を選んだり、性能、機能、デザインで欲張ると、高価なものになってしまいます。本格的に使用すると真っ先に画面サイズに不満が出てきます。例えば、動画の編集では、複数の動画や音声のタイムライン、様々な設定のための様々な操作パネル、動画のプレビュー表示など、非常に多くの要素が表示され、大きな画面が必要となります。また、大規模な文書作成では、大画面で文書を一覧できると効率的な場合も多いです。近年、低価格化が進んでいる大型ディスプレイを購入して接続するのは効果的な解決法です。

高性能な機種を選んでも、非常に本格的な3Dゲームや3D映像制作をやろうとすると、さすがに性能も機能も画面サイズも足りません。その場合には、本格的なクリエイティブ用途のための大型デスクトップPCが必要となります。3D映像処理のための部品であるGPUカードは、非常に高性能なものになると、モバイルノートPCのサイズの半分以上あります。モバイルノートPCだけで全てを何とかするのは難しいことがわかるでしょう。また、安価な中型モバイルノートPCだと、基本的に性能面で足りない場合も多いので、唯一のPCとすることは注意が必要です。

薄さのを優先してアダプタがないとUSB、VGA、HDMIなどが使えない機種も多めとなっています。出先での発表や会議など状況によっては、アダプタを忘れてしまうと、PC本体を忘れたのと変わらないくらい危機的になる場合もあります。インタフェースを重視するなら、let’s noteシリーズのようにインタフェースを標準装備している機種を選ぶことも重要となります。

小型タブレットPC - パソコンの種類

板状で、キーボードはなく、タッチ対応の画面が片面を覆っているタイプのPCで、容易に手に持って使えるサイズのものです。重さは300gから500g、画面サイズは8型くらいです。分類や呼称として十分に一般的ではないかも知れませんが、1kg程度の置いて使うことが中心のタブレットPCとは、明らかに位置づけが異なるため、「小型タブレットPC」という分類を用意しました。PCユーザ一般に知られている有名な機種として挙げられるものはありません。画面も小さくキーボードもなく性能も限られているため用途が限られており、iPadやAndroidタブレットと競合しています。

長所としては、

  • 安価である。
  • Windowsが動作する。
  • 非常に軽量である。
  • 閲覧には使いやすい。

などが挙げられます。キーボードもない単純な一枚の板のような構造なので、安価で軽量です。十分な性能ではないとはいえ、Windowsとそのアプリが動作するので、使い道が非常に広くなります。非常に軽量なので、当然、手に持ってタブレットとして使うのに適しています。

短所としては、

  • 最低限の性能に限られてしまう。
  • Windowsではあまり使いやすくない。
  • タッチ操作がマウスの代わりにならない。
  • 文字入力が非常にやりにくい。
  • Macシリーズはない。
  • 立てるためのカバーなどが必要な場合がある。

このサイズに搭載できるCPUの限界で、最低限の処理能力しかなく、高画質画像の再生、オフィスソフトでの巨大な表データの処理や本格的なゲームなど、処理能力を要する処理には使えません。
本当に最低限の機種もあり、試しに少し使ってみるくらいでは、何とか使えるように見えても、本気で使っているときに、あまりの遅さに使用をあきらめるというようなことがあり得ます。Windows Updateと呼ばれるWindowsを更新する処理をため過ぎてしまうと、完全に丸一日、何にも使えないということもあります。また、ストレージも小さいものが多く、Windows Updateによって肥大化したWindows本体だけで、ストレージを圧迫することもあります。

Windowsにおいて、タッチ操作の歴史が浅いこともあり、タッチでの使い勝手はあまり良くはありません。指自体が画面を遮って細かな操作ができなかったり、マウスカーソルをそこに持って行くだけのマウスオーバーという操作がタッチ操作ではできなかったり、本格的に使っていくとタッチ操作がマウスの代わりにならない場面が出てきます。

大量の文字の入力には、キーボードを追加する必要があります。一見、スクリーンキーボードでこと足りるように見えますが、手探りでキーの位置がわからないこと、入力していないときは手を浮かせる必要があること、スクリーンキーボードが画面の半分近くを占有して画面が見にくいことなどにより、大量の文字入力には使えません。タブレットPCは、机にそのまま置くと見えにくい場合が多く、見やすい角度で立てる必要があります。その場合、立てる機能のあるカバーや台などが必要になりますが、小型タブレットPCと比較すると決して軽くも小さくもなく、小型軽量が想像以上に犠牲になることがあります。Windowsでは多くのソフトウェアが動作するため何でもできるように見えますが、小型タブレットPCでは、思うように使えないことも多いでしょう。

アップルの製品ラインナップにおいては、このカテゴリはiPadが担当しており、Macシリーズにこのサイズはありません。

一時は注目を集めましたが、人気の高いカテゴリではないためか、様々な欠点の改善の進展も良好とは言えません。もし、このカテゴリの製品を購入する場合は、用途に合っているか、iPadやAndroidタブレットで良くないか、よく熟慮してから購入するのが良いでしょう。