パソコンの一般的な用途

スマートフォンやタブレットなどでは対応しきれない、具体的な大量の文字入力、大画面による複雑な情報表示、文書、写真、音楽、ビデオなどの様々な種類のデータファイルの保管や利用、などが行える必要があります。現在では、小型タブレットや、5年前の機種のような相当に古いパソコンでなければ、何を購入してもだいたい大丈夫です。近年はパソコンの性能向上や性能要求の向上も落ち着いており、5年前のパソコンでも性能的には使える場合も少なくありませんが、ストレージやバッテリ、電源をはじめとする部品が劣化し、いつ重大な問題が発生するかわからないのでおまりおすすめできません。さらに、持ち運びの可否や設置場所によって、適したPCの種類も変わってくるので注意が必要です。

持ち運ぶなら、中型モバイルノートPC、費用をかけてでも楽に持ち運びたいなら超軽量ノートPCが良いでしょう。また、家や事務所での利用で、画面の小ささが気になるなら、安価になった大型の外付けディスプレイを導入するのも良いでしょう。大量のデータを表示したり、様々な関連情報を同時に表示したりする場合には、非常に効果的です。建物や部屋の中を移動させることがある程度なら、中型ノートPCが、ほぼ移動がないなら、一体型PCにするとコストパフォーマンスが良くなります。

最近は、高精度なペンタブレット機能がモバイルノートPCに導入されつつあります。文字では足りないようなメモや、ちょっとした創作活動などに効果的です。ひらめくままに書きなぐる構想メモのようなものもデジタルで管理したい場合や、パソコンをイラスト制作に活用したい場合には、比較的高価な機種でも良いなら検討してみてはいかがでしょう。

ビジネスでのWebやソフトの使用

ビジネス用途では、文字入力も、文書や資料の閲覧も重要なので、既に述べた「一般的なPC用途」に相当します。

大学などでの使用

大学でのレポート作成、Webなどの閲覧、教科書や資料の閲覧や視聴、実験データや集めたデータの保管などを行うことになりますが、既に述べた「一般的なPC用途」に相当します。大学側の機種指定がどこまで厳格か、ゆるいならどこまで従うかがポイントになります。

プログラミング

プログラミングの練習のみの場合や、プログラミングで開発するソフトウェアが特別なものでない場合は、既に述べた「一般的なPC用途」に相当します。ただし、容易ではありませんが、本格的な3Dゲームソフトとか、ビデオ編集ソフトなどを作る場合には、開発されるソフトウェアに必要な性能、機能を持ったパソコンが必要です。他の項目もご覧下さい。

パソコン本体のセキュリティ

コンピュータウィルスや不正アクセスというのは、非常に様々な被害を引き起こします。さらに、セキュリティの甘いパソコンは、そのような被害にあう可能性が高いだけでなく、被害を広げる原因となり、場合によっては社会に多大な迷惑をかけることになります。

よくある具体的な被害としては以下のようなものが有名です。

データの破壊
パソコンにある様々なファイルを削除したり、書き換えたりします。コンピュータウィルスによる被害の定番です。
データの漏洩
パソコン内にあるデータが、外部に持ち出されます。実際のコンピュータウィルスで、パソコン内のデータをインターネットに公開し、データへのリンクを「2ちゃんねる」と呼ばれる掲示板に作成するものがあり問題になったこともありました。
遠隔操作
持ち主の知らないうちに遠隔操作が行われます。パソコンを操作されてしまうので、あらゆる被害の可能性があります。データが破壊されたり、メールやプライベートなファイルが漏洩したり、持ち主がやったかのように違法行為が実行されたりもします。実際に、被害者が警察に誤認逮捕されると言った事件が社会を賑わせたこともあります。
ランサムウェア
ランサムウェアと呼ばれるソフトが、パソコンをロックしたり、データを暗号化したりして、ユーザが触れなくしてしてしまいます。そのロックを外すための身代金が要求されることになります。
コンピュータウィルスの拡散
ネットワークで感染するタイプのコンピュータウィルスがあります。そのようなコンピュータウィルスに感染したパソコンは、そのパソコンの計算能力だけでなく、接続されているネットワークの帯域を浪費して、感染先を探したり、ネットワークの通信を妨害したりします。
迷惑メールの発信
迷惑メールの中には、コンピュータウィルスで乗っ取った個人のパソコンから発信されているものもあります。

パソコン本体のセキュリティの基本としては、

  • ソフトを最新の状態にする。
  • セキュリティソフトを使用する。
  • 危険な操作をしない。
  • 盗難に注意する。

が挙げられます。「ソフトを最新の状態にする。」とは、Windowsやmac OSのようなパソコンのOS(基本ソフト)やMicrosoft WordやGoogle Chromeのようなアプリケーションソフトの状態を、更新機能を使って最新の状態にすることです。最新の状態にすると、機能の改善だけでなく、ソフトの持つセキュリティの問題点(セキュリティホール)の修正も行われます。保護すべき対象であるパソコンにおいてセキュリティホールが放置されていると、セキュリティソフトを使用しても保護しきれません。ビルの警備にたとえると、あちこちの出入り口の鍵が壊れたまま、警備システムや警備員を配置しても、十分にそのビルを保護できないという状況です。

「セキュリティソフトを使用する。」とは、セキュリティのためのソフトをインストールして、適切に動かしておくことです。セキュリティソフトにはフリーのものもありますが、十分な知識と運用力を持った方にしか、おすすめできません。確かに、フリーの優れたセキュリティソフトもあるでしょうし、それを開発する組織も優れたビジネスモデルにより想像される以上に信頼するに足るものもあるかもしれません。しかしながら、セキュリティソフトは、セキュリティを預けるソフトであり、長期的に日々のアップデートがリリースされている必要があることを考えると、やはり、大手の有名ソフトにしておくと安心でしょう。

「危険な操作をしない。」とは、送られて来るメールの添付ファイルを不用意に実行しないなど、セキュリティ上危険な操作をしないようにすることです。たとえ、上の2つの事項が万全であったとしても、いつも怪しい添付ファイルを実行して試すようなことをしていれば、コンピュータウィルスの被害を受けてしまう可能性が高くなります。有名なウィルスであれば、セキュリティソフトが排除してくれますが、それに頼り切った操作をするのは危険です。

「盗難に注意する。」ですが、そもそもパソコンは高価なものなので言うまでもないでしょう。さらに、業務用パソコンであった場合などは、データ漏洩の方が問題が大きくなります。Windowsなどへのログオン時のパスワードによる保護があるため安心するユーザもいるでしょうが、パソコンを自由に扱えるなら、データを取り出すのは容易な場合が多いです。また、実際にデータが漏洩したかどうかではなく、パソコンを紛失した時点で大問題になることも多いでしょう。実際、あるテレビ番組で、暗号化システムの開発者が、データが漏洩すると、データがきちんと暗号で保護されていても、そのことが考慮されない社会情勢に苦慮しているという発言がありました。肌身離さない、駐車時の車内に置かない、飲酒時には注意するなど、基本的な対策が大切です。